第3楽章 阿弥陀仏様の子守唄―後編―
投稿日:2022年03月07日投稿者:じゅうべい(Jubei)
カテゴリー:第5遊行 羅城門・阿弥陀物語―温かく、やさしく、穏やかに― , 平安仏教聖伝―阿弥陀聖(ひじり)空也編―
後編:阿弥陀仏様の子守唄 「南無阿弥陀仏、阿弥陀仏。南無阿弥陀仏、阿弥陀仏。」 私、空也はレンを抱きしめながら、レンの頭を撫でながら、口に任せて阿弥陀念仏を称え始めていた。 「南無阿弥陀仏、阿弥陀念仏。南無阿弥陀仏、阿弥 […]
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第5遊行 羅城門・阿弥陀物語―温かく、やさしく、穏やかに―
後編:阿弥陀仏様の子守唄 「南無阿弥陀仏、阿弥陀仏。南無阿弥陀仏、阿弥陀仏。」 私、空也はレンを抱きしめながら、レンの頭を撫でながら、口に任せて阿弥陀念仏を称え始めていた。 「南無阿弥陀仏、阿弥陀念仏。南無阿弥陀仏、阿弥 […]
前編:ありがとう。どういたしまして。 「さあ、これを」 羅城門に戻ってきた私、空也はゆっくりと女の身を起こし、干魚を手で小さくむしって、箸で飯箱に入った白飯を口に運んでやった。女はゆっくりと口をあけてご飯を口に入れ、次い […]
「小太郎!」 羅城門の階段を上がった東の隅に、白い大きな犬が座っている。その犬が幼い童女、レンに気づくと、立ちあがって尻尾を振りながら走ってきた。 レンは嬉しそうに駆け寄ると、笑顔で白い犬の頭を撫でてやる。 「ただいま、 […]
後編:笑顔の出会い 「おねえちゃんが?」 それは、東市で出会った童女が口にした言葉だった。市に来たこの子が鄽(いちくら=お店)から干魚を盗んで捕まりそうになっていたのを、私が助けたのだ。また、この子はその汚い身なりと、今 […]
前編:人々の、いのちを守る羅城門(らいせいもん) 「空也さま、はやくはやく」 晴れ渡った空の下、幼い童女に手をひかれ、私はいっしょに駆けだしている。 「こっちだよ」 その表情に、満面の笑みを浮かべながら。 と、童女は走る […]
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