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後編:名もなきものの、いのちの叫び

俺たちに救いはない。
俺たちに明日なんて、ないんだ。

いつかどこかで聞いたことがある。この世には、苦しみに満ちた世界を生きる俺たちを救う、仏や菩薩なんてものがいるらしいことを。だが、俺はそんなものは信じない。信じたこともない。信じるはずもない。俺は生まれてこのかた、そんな奴らに会ったことなど一度たりともないからだ。仏や菩薩なんて奴らは、しょせん財のある奴ばかりに目を向けて、下層社会で苦しむ俺たちには見向きもしてくれないではないか。

闇に包まれた仏と観音

ご利益に与るには仏像を造ったり寺を建てたり、お経を写したりしなくてはならない。そうすればこそ、奴らはその信心に応えてこの世で安穏を与え、死後には安穏の世界に生まれ変わるよう導いてくれるのだ。

こんなふざけた話があるか?よく考えてみろ。

財力も何もない俺たちに、そんなことがどうやってできると思っている。
その日暮らしがやっとの俺たちに、そんなことがどうやってできると思っている。

結局は仏や菩薩も財力のある者たち、貴族たちにしかご利益を与えていないではないか。そして下層世界に生きる俺たちには、何も持っていないからと一切手を差し伸べることはしない。

本当に苦しんでいるのは、そこに生きるすべての俺たちだというのに。
なのにそんな俺たちには手一切を差し伸べず、一人残らず死ねというのか。
一人残らず地獄に堕ちろというのか。

地獄のイメージ

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ふざけるなよ、この偽善者どもが!

結局はそうだろう。そういうことなのだろう。

仏や菩薩など、所詮は限られた奴らに光を与える存在でしかない。
何もない俺たちは、この世で苦しみ悶えるか、こうして死んでいくしかないのだ。

・・・・・薄れゆく意識の中、俺はゆっくりと最期のその時を待った。

ああ・・・・・。

ここで死ねば俺は地獄に堕とされて、そこで永い間責苦を受けることになるだろう。どうしようもない罪を重ね続けたこの俺に、どうしようもなく汚れてしまったこの俺に、穢れまみれのこの俺に・・・・・、

救いなど、あるはずがないのだからな。

俺は闇の中で、自分の身体が、魂がさらなる闇へと引きずりこまれていくのを感じていた。

俺たちには救いなどない。いや、もう永遠になくてもいい・・・・・・。

そしてゆっくりと、俺は虚無の闇に沈んでゆく。静かなる哀しみと、この世に生きることに対する絶望とともに。

「第1楽章」(完)

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