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レン、小さいこの子は鴻臚館に来てからというもの、姉と慕うお邑をやさしく介抱しながら過ごすようになっていた。垢で汚れていた顔は、もうすっかりきれいになっている。そこにはもう、〈死穢童子〉と呼ばれていた頃の面影はなくなっていた。きれいになった彼女は、私と蓮性が東市とその周辺にある店で得てきた食べ物を自分で与えるようになり、姉であるお邑もすごくうれしそうに食べていたのを、今でも鮮明に思い出す。

「はい、おねえちゃん」
「うん、いつもありがとう、レン」

手と手が触れ合うイメージ

お邑は微笑をたたえてレンが口に運んでくる干魚やご飯、わずかな葷腥(くんせい=野菜やお肉)をうれしそうに食べていた。そして時々、レンはお水飲ませてあげるのだ。その姿はすごく微笑ましく、なによりも見ているこちらがとても癒される。

私、空也はそんな二人を見て思うのだ。

この二人は今、とてもやさしい絆で結ばれている。きっと、辛い時も、そうでないときも、どんな時も、二人で支え合って生きてきたのだろう。この世に捨てられた者同士、寄り添いながら、明日をも知れぬ今この時を、懸命に二人で生きてきたのだろう。

もう・・・・もう十分だ。十分彼女たちは苦しんできた。今までずっと、胸を刺すその痛みに耐えて、崩れぬように必死に今を生きてきた。

だからこそ、だからこそこれからは・・・・・・。

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阿弥陀仏様、どうかこの二人に末永い幸をお与えください。
どうか二人を、やさしくお護りください。

「南無阿弥陀仏、阿弥陀仏。南無阿弥陀仏、阿弥陀仏」

阿弥陀仏の画像
やさしくて、温かい絆で結ばれたその姉妹の姿に癒されながら、私は両手を合わせて口に念仏を称えていた。新しい明日に精いっぱいの願いを込めて。

「南無阿弥陀仏、阿弥陀仏。南無阿弥陀仏、阿弥陀仏」

この二人に新しい明日を、光へと続く新しい明日を。

「南無阿弥陀仏、阿弥陀仏。南無阿弥陀仏、阿弥陀仏」

「第7遊行 光へと続く新しい明日を(完)」

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