2003年7月2日公開(米国)
監督 ジョナサン・モストウ。主演 アーノルド・シュワルツェネッガー。

Chapter2 破滅へのカウントダウン―それでも僕は受け入れない―

ターミネーター3の物語の大筋は、最新型ターミネーターT-X、旧型のT-850が未来から転送されてきて数時間後、その2体がジョンとケイトを見つけ出し、護る側と抹殺する側での壮絶な逃避行劇が展開していく。ケイト・ブリュースターは、2004年時点では動物病院の獣医師として働いているが、未来では抵抗軍の一員として活躍する。よってジョンと共にT-Xに追われることになる。しかし今回、T-Xは、執拗に2人を追跡するわけではない。一見すると、この物語はジョンとケイトをT-850が車で護送しているだけのものにも見える。しかし実はこのT-Xの行動とジョンとケイトの護送劇の中には、非常に重要なドラマが隠されているのである。

SF写真

ターミネーター3は、忍び寄る世界の破滅からジョンとケイトの2人を救う物語でもある。そしてその破滅はもう目に前に来ている。ジョンが現実逃避している間に、世界はとんでもない事態になってしまっていたのだ。実はもう時間がないのである。

T-850の任務は、目の前に迫っている世界の破滅から2人を生かすことにある。だから車でできるだけ遠くに避難しようとしているのだ。

そしてT-Xの任務も、今回はジョンとケイトを抹殺するだけではない。メインターゲット捕獲に失敗した場合、未来でジョンの部下になる人物を抹殺して戦力を削ぐことも任務の一つとしてある。そして実は、もう一つ非常に重要な任務を帯びていたのだ。

だから今作は、どこまでもどこまでも一つの対象を執拗に追いかけることはしない。そのかわり、クライマックスでとんでもないことを引き起こす。

 

さて、逃避行の最中、ジョンはT-850にある疑問をぶつける。
「核戦争が来るのは防いだんだ。あんただって存在しないはずだ」と。
それに対し、T-850はこう返す。
「先に延ばしただけだ。審判の日(核戦争)は回避不可能」

 

防いだと思われていた核戦争の脅威は消えてはいなかった。見えざる脅威として水面下で確実に進行していた。

コンピュータウイルスのイメージ画像

実は10年前に破壊したと思っていた無人防衛コンピューター、スカイネットは、ほぼ完成してしまっていたのである。空軍基地で働く空軍司令官、ロバート・ブリュースター。CRS(サイバー・リサーチ・システムズ、自律兵器師団)の担当責任者でもあり、ジョンとともに逃避行を続けているケイトの父親でもある人物。この人物が研究を引き継ぎ、無人防衛システムの一つとしてスカイネットをほぼ完成させていたのだ。

ターミネーター3の物語の中では、厄介な新種のコンピューターウイルスが世界中のコンピューターに感染し、脅威となりつつあった。そのウイルスをスキャンし、駆除するためにスカイネットを起動せよ、と上層部は要請する。しかしロバートは躊躇していた。なぜなら、そうするとその間、衛星からミサイルまですべて1つのコンピューターが管理することになり、軍はスカイネットの支配下に置かれてしまうからだ。どこかに人間が介入すべきだと考えていたロバートは、スカイネットはまだ完成していないと考えていた。しかしスカイネットは、人々の見えない所ですでに攻撃を始めていた。じょじょに世界に侵食を始め、世界を覆いつくそうとしていたのである。

もちろん世界の人々も、ジョンもケイトもそんなことを知る由もない。ブリュースター司令官がスカイネットを開発したこと、その司令官はスカイネットをシャットダウンする可能性があるため、T―Xが抹殺の標的としていること。それをターミネーターから聞かされたジョンは、「スカイネットをシャットダウンできるのはブリュースターだけだ。彼を助けに行こう」と、司令官の所に行くよう命令を下す。しかしT-850は命令を拒否。「助けに行く時間はない。核の第1発が発射されるのは今日の午後6時18分」と爆弾発言をして。

2体のターミネーターは、核の発射日の前日の夜に転送されてきていた。したがって次の日にはもう核が発射されることになっていたのだ。

核戦争

しかしそれでも、父親を助けに行きたいケイトと、核戦争を何が何でも止めたいジョンに押され、命令を承諾するT-850。

スカイネットをシャットダウンし、核戦争を止めること。それが自分の使命であると信じているジョン。しかしジョンはこの時点でまだ自分の運命を拒否している。破滅へのカウントダウンが迫っている。T-850が繰り返しそう語っても、ジョンは耳を貸さない。

 

ここからT-850とT―Xの2体のターミネーターたちは、その行動でもって大切な真実を示し、2人を新たな道に導いていくことになるのである。

 

Final Chapter 世界が死ぬ日―その先にある覚悟の道―へと続く。

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