第3楽章 それでもまた、やり直せる―後編―
投稿日:2023年07月06日投稿者:じゅうべい(Jubei)
カテゴリー:第10遊行 闇の盗人物語 , 平安仏教聖伝―阿弥陀聖(ひじり)空也編―
後編:それでも俺は、変わりたい 「あなたは誰よりも知っている。喪った悲しみを、見捨てられた痛みを。それが・・・・それがどれだけ痛いものか、どれだけ悲しいものかを。誰よりも深く知っている」 いいえ、それだけじゃない。 星空 […]
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第10遊行 闇の盗人物語
後編:それでも俺は、変わりたい 「あなたは誰よりも知っている。喪った悲しみを、見捨てられた痛みを。それが・・・・それがどれだけ痛いものか、どれだけ悲しいものかを。誰よりも深く知っている」 いいえ、それだけじゃない。 星空 […]
前編:それでもまた、やり直せる。 「あの子は・・・・あの子は俺の腕の中で・・・・・」 満天の星たちが煌めく空の下で、俺は女にすべてを告白した。 ●打ち続く飢饉と洪水で村を捨て、都に出てきたこと。 ●都で僕隷として貴族に仕 […]
後編:悪夢の始まり 間に合ってくれ、どうか、どうか間に合ってくれ・・・・・。 夜道を全力で走り抜け、家の前にたどり着いた時だった。 「もう逃げられんぞ!汚らわしい賊めが」 「なにをなさるのです!私たちは」 「うるさい!残 […]
前編:悪業の果て 妻である摩耶と娘である沙羅に隠していたこと。それは、俺が盗人として都で活動していたことだった。もちろん二人にはそんなことは一度も話していない。かつて摩耶に助けられた時も、それは言わなかった。二人には宮仕 […]
後編:孤独な姫君 彼女はとても強く、やさしい女だった。 俺はそんな彼女が好きだった。だからこそ心から尊敬し、慕っていた。 貴族の家に盗みに入り、罠にはまった末に刀で斬られて重傷を負い、路上で力尽きてしまった俺。そんな俺を […]
前編:闇の盗人 この人になら、話せるかもしれない。 この人に話したら、何かが変わるかもしれない。 そう思ったからかもしれない。満天の星たちが煌めく夜空の下で、俺はゆっくりと、俺を助けてくれたその女に俺のことを話し始めた。 […]
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