第3楽章 名もなき者たちの絆
投稿日:2024年05月09日投稿者:じゅうべい(Jubei)
カテゴリー:第12遊行 名もなきものたちの絆―だからこそ生きてゆく、こんな時代の真ん中で― , 平安仏教聖伝―阿弥陀聖(ひじり)空也編―
そなたがそうであるように、われらには、われらの立場で為すべきこと、 われらの立場できることが必ずある。それをただひたすらしてゆくのだ。こんな時代に生きているからこそ。 空也様の善友、蓮性様の言葉が、俺、辰巳のなかで今も鼓 […]
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第12遊行 名もなきものたちの絆―だからこそ生きてゆく、こんな時代の真ん中で―
そなたがそうであるように、われらには、われらの立場で為すべきこと、 われらの立場できることが必ずある。それをただひたすらしてゆくのだ。こんな時代に生きているからこそ。 空也様の善友、蓮性様の言葉が、俺、辰巳のなかで今も鼓 […]
後編:だからこそ生きてゆく、こんな時代の真ん中で。 荒れはてた京の都に祀られし、生々しく向かい合う、 男根と女陰が刻まれた男の女の神像。 人々は今、これを岐神(ふなどのかみ)、あるいは御霊(ごりょう)として東西の京の四つ […]
前編:怨霊跋扈と岐神(ふなどのかみ) 「いつもすまんのう、若いの」 俺、辰巳はその日も、西鴻臚館(にしこうろかん)で共に時を刻んでいる貧者や病者たちのお世話をしていた。 空也様が東市で乞食行をして得てきた食べ物や薬をこの […]
後編:許される道は必ずある 「すべてはそこから始まるのだ。己の罪を自覚し、懺悔することから。そこから善の道を求める心が生まれ、その心が明日への道を照らすのだよ」 空也様は、ゆっくりとやさしく、それでいて力強い言葉で俺にこ […]
前編:明日への道を照らす心 「今日もいい天気ですね」 俺、辰巳はその日、太陽の光が降り注ぐ青い空の下で、鴻臚館(こうろかん)の外に設置されている木製の長椅子に腰掛けて過ごしていた。隣には空也様が共に腰掛けており、地面では […]
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