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去る3月16日の日曜日錦市場のいけまさ亭に食事に出かけた折、コラム子はいけまさ亭の隣にある丸常蒲鉾店を訪れました。
当節の錦市場は先のいけまさ亭のコラムでも触れましたが、昔の京都人が慣れ親しんだ「京の台所」の面影はもはや残していません。
どちらを向いても目に入るのは海外からのお客様ばかりです。
あまり大きな声では言えませんが、先に紹介したいけまさ亭のお母さんは声を潜めてよくおっしゃいます。
「よっぽど用心をおしやすや。この頃の錦市場はどんな人がうろついているかわからんようなとこどっせ。もう、錦市場ゆうたかて昔の錦やおへん。すっかり変わってしもたしね。」
外国人観光客の出現によって様変わりした錦市場の店の中には、時世に対応しきれなくてやむなく店じまいに追い込まれる老舗もあります。
その一方で時代の変化を上手に取り入れて繫盛している店もあります。
今から紹介する丸常蒲鉾店はそうした商売上手な店の筆頭に挙げられるでしょう。
ここにずらりと並んだ蒲鉾天ぷらの数々はいずれも丸常蒲鉾店の商品のラインナップです。
見ての通り非常に多くの種類の蒲鉾のバリエーションがあることが分かりますね。
いちいち挙げていたらきりがありませんが、売れ筋商品を紹介すると、じゃがバター天、百合根湯葉まき天、玉ねぎチーズ天、カレーフライ天など実に豊富な創作天ぷらを取り揃えています。
店の前を通りかかる外国人観光客は、ほとんど全員が立ち止まって片言の日本語で店員に尋ねます。
「ドレガオイシイデスカ?」
すると、店員はこう答えます。
「そやな~、じゃがバター天か、百合根湯葉天か、玉ねぎチーズ天か、ま、どれも美味しおっせ。」
これを聞いた外国人は、おススメの蒲鉾天ぷらを3つ、4つ買って食べながら錦市場をそぞろ歩きするというわけです。
コラム子は度々この店で蒲鉾天ぷらを購入していて、主な商品はほぼクリアしているのですが、中でも特にお勧めできるのは百合根湯葉天、玉ねぎベーコン天、しそチーズ天、きくらげ天といったところでしょうか。
値段の割に大したことがなかったのはじゃがバター天(400円)です。
変わり種の多い創作天ぷらが目立つ一方で、イカ天やひら天、それからタコ天といった従来の蒲鉾天ぷらも冬場は売れ行きが好調なようです。
こういった天ぷらを買うのは主に日本人、しかも京都人で、おでんの種に最適という理由からだと思われます。
そんな風に考えると、錦市場も昔ながらの「京の台所」の役割を今も果たしているといえる面もあるのかもしれません。
とは言え、丸常蒲鉾店の売れ筋商品の価格の高騰が目を見張るものがあるのも事実です。
コラム子が頻繫に利用するようになったここ数年の間にも、じゃがバター天や百合根湯葉天などは1つ290円から400円に値上がりしました。
この店は訪れるたびに、外国人観光客をあてにした変わり種の創作天ぷらの品数を増やしているようですが、その反面地元の京都人が気軽に購入できる価格設定でなくなってきているのもまた事実です。
少し見繕うだけで1500円、2000円とお金に羽が生えて飛んでいってしまうという残念な顔も持ち合わせている店でもあります。
丸常蒲鉾店
- 住所:
〒604-8055
京都市中京区錦小路柳馬場東入ル東魚屋町166 - TEL: 075-221-2037
- URL: https://www.kyoto-nishiki.or.jp/stores/marutsune/
- インスタグラム: https://www.instagram.com/marutsunekamaboko/
- 交通アクセス:
阪急京都線河原町駅下車3番口から徒歩6分
地下鉄烏丸線市場駅下車2番口から徒歩4分 - 定休日:
なし(1月1日~5日まで休み) - 営業時間:
9:00~17:00 - 支払い方法:
カード不可
電子マネー不可
QRコード決済可
この記事を書いた人

つばくろ(Tsubakuro)
京都生まれ、京都育ち、生粋の京都人です。
若い頃は京都よりも賑やかな東京や大阪に憧れを抱いていましたが、年を重ねるに従って少しづつ京都の良さが分かってきました。
このサイトでは、一見さんでは見落してしまう京都の食を巡る穴場スポットを紹介します。