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その時、京都市に住む栗戸家では、伝説の大亭主栗戸(クリド) 阿保郎(アポロー)ヤザーワが今まさに息を引き取ろうとしていたのであった!
あ・・・ああ、ヤバイ・・・ヤバイ。
おいジジイ、おい阿保郎。しっかりしろコノヤロー!
その息子、阿保二才(アホニサイ)は、もはや虫の息で死ぬ寸前の父親の枕元でうるさく叫んでは父の顔面にビンタを何回もくらわし、父を現世に無理やりとどめていた。ずっと聞いてみたくて、ずっと聞けなかったことを、今まさに瀕死の父に聞こうとしていたのである。
うるせぇこのバカ息子が!今から教えてやるからだまらっしゃい!これ以上バカをぬかすとお前の減らず口縫いつけるぞ!
というわけで、その男、阿保郎はお布団の中で最後の力を無理やり振り絞り、五山送り火について語り始めたのであった。
はい、それではいいですかぁみなさん。
五山の送り火と言いますのはですね、お盆を締めくくる伝統行事で、毎年8月16日に、迎え火(お盆に自宅へ帰ってくるといわれる先祖の霊を迎える目印として、玄関先や庭などで焚かれる火のこと)によってこの世に還ってこられた祖先の霊(お精霊〈しょうらい〉さん)の魂を再び浄土(死後の世界)に送り帰すという意味があるんです。
当たり前ですが、それぞれの文字にはちゃ~~~~~んと意味があるんですよ♪
そのへん、ヨロシク!!
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「大文字送り火」(左京区如意ヶ嶽)
「松ケ崎妙法送り火」(左京区松ケ崎にある西山・東山)
「船形万燈籠送り火」(北区西賀茂にある妙見山)
「左大文字送り火」(北区大北山にある大文字山)
「鳥居形松明送り火」(右京区嵯峨鳥居本にある仙翁寺山〈万灯籠山・曼荼羅山〉)
送り火が一般に広く行われるようになったのは、仏教が庶民の間に深く浸透した中世、とくに室町時代以降であるといわれていま~~す。歴史史料にあらわれるのは15世紀以降のことで、おそらく、江戸時代中期には現在の「五山送り火」が成立していたのでしょう。
分かったよ、ありがとうおとっちゃん。このご恩は絶対に忘れてるよ、3秒後に。
さてと、お前にもう、用はない。さっさと楽になるがいい。バカ亭主が。
なんだと?おのれバカ息子、わしは死なんぞ。来年必ずまた戻ってくるからな!
その時までイピカイエ~、さらばだ~~!!
(そういえば今日は9月16日だった。送り火からもう一か月も過ぎてるではないか。まあいいか♪細かいこと~は気にしな~~~い♪)
Author
じゅうべい(Jubei)
Hello everyone. I am Jubei, an earthling whose energy does not stop today. What I like is playing (manga, movies, music (J-Rock, etc.) and visiting cafes). Thank you for your understanding.