護王神社

なるほど。ここは足腰の健康・病気怪我回復のご利益などがある神社なのですね。では、わたしもいっちょ祈ってみようではありませんか。

本殿

わたしは生まれつき足がわる～ございますが、どうかこれからも足腰が壊れずに健康でいられますように。
と、わたしは本殿にお参りしてそうお願いしたのであります。

護王神社と呼ばれるこの場所には、「足腰の守護神 和気清麻呂命公」と「子育てと保育の神様 和気広虫命」が祀られており、今も多くの人の信仰を集めているようです。

和気清麻呂公の像

和気清麻呂(わけのきよまろ)公。この人はその昔、桓武天皇に進言し精魂傾けて平安京を造った人として知られています。延暦１２年正月、清麻呂公は狩猟にことよせて桓武天皇を東山にお誘いし、京都盆地を見下ろしながら長岡京から京都への遷都を進言します。それが認められて長岡京から平安京に遷都することになったのでした。そして清麻呂公は造営大夫として平安京の造営に注力することになったのです。

そんな経歴を持つ和気清麻呂公ですが、ではなぜこの人は足腰の神様として神社に祀られているのでしょうか。しかも、神社の鳥居には狛犬の代わりに狛いのししが建てられています。

鳥居

なぜ狛犬ではまく狛いのししなのでしょうか。
その答えは、どうやらいのしし神社にまつわる京の昔話に由来するようです。

奈良時代、称徳天皇の御代のことです。天皇の病気を看病したことによって信頼を得、法王にまでのぼりつめて権勢をふるった僧侶がいました。名を弓削道鏡（ゆげのどうきょう）といいます。

この道鏡、仏法護持の僧侶でありながら、あろうことか天皇の位をわがものにしようととんでもないウソをつくのです。
「自分を皇位につかせたなら天下は太平になると宇佐八幡宮より御神託があった」と。そしてそれを確かめさせるために和気清麻呂公を九州の宇佐八幡に遣わしたのでした。清麻呂公が御神前にて真意を示すよう叫びますと、光の中から宇佐の大神が現れます。そしてこう御神託を下されたのでした。

「天皇の後継者には必ず皇族の者を立てなさい。無道の者は、早く追放してしまいなさい」

都へ帰った清麻呂公は、このことを天皇に報告して道鏡の野望を暴いたのでした。しかしこのことで道鏡の怒りを買ってしまい大隅国（鹿児島県）に流されてしまったのです。しかもその旅の途中、道鏡の放った刺客によって足の筋を切られてしまうという災難に遭ってしまうのでした。
それでも清麻呂公は、皇室の安泰が守られたことに感謝するため、宇佐八幡に立ち寄ることにしたのです。そして豊前国（福岡県東部）にさしかかった時でした。突如として三百頭ものいのししが現れ、清麻呂公の輿の周りを護りながら宇佐八幡まで案内してくれたのです。八幡宮に着くといのししたちはどこか去ってゆき、不思議なことに清麻呂公を悩ませた足の痛みも治っていたといいます。

そして一年後、称徳天皇の崩御によって道鏡が失脚すると、清麻呂公は都に呼び戻され、晩年まで世のため人のために尽くしたということです。

清麻呂公が足腰の神様として祀られていること、狛犬の代わりに狛いのししが建てられていることには、このようなお話が由来としてあるとのことでした。

神社の確かな創建年は伝えられていませんが、もとは洛西の高雄山神護寺の境内に清麻呂公の霊社として祀られ、古くから「護法善神」と称されていました。
江戸時代末の嘉永４年（１８５１）、孝明天皇が清麻呂公の歴史的功績を讃えて正一位護王大明神の神階神号を授けられ、明治７年（１８７４）には「護王神社」と改称して別格官幣社に列せられました。

また護王神社には足腰の健康の他にも、子育てと保育（子育て・子供の成長の御守護）の信仰があります。その神様として祀られているのが、清麻呂公の姉君である「和気広虫」（わけのひろむし）です。

和気広虫

宮中の女官として五代の天皇に仕え、厚く信頼されていた広虫。慈愛の心が厚かった彼女は、平城京内で、あるいは戦乱（天平宝字８年〈７６４〉の藤原仲麻呂の乱）で生じた多くの孤児たちを養子として育てられました。延暦１８年（７９９）、７０歳をもって世を去ったその生涯は、社会の福祉や保育の先駆者ともいうべき慈悲の人生であったといいます。このことから和気広虫は「子育てと保育の神様」として信仰されている、ということです。

参考にした情報

「護王神社境内にある種々の掲示板」

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この記事を書いた人

じゅうべい(Jubei)
みなさんこんにちは。今日も元気がとまらない地球人、じゅうべいです。好きなことは遊ぶこと（漫画に映画、音楽（Jロック等）にカフェ巡り）です。
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